今日は渋谷UPLINKにて、ここでも何度か(過去記事①、記事②)紹介させてもらっている、シリアのドキュメンタリー映画 「それでも僕は帰る シリア 若者たちが求め続けたふるさと」のプレス向け試写会でした。
HALCALIのHALCAや、ヒューマンビートボクサーのREATMOくんも来てくれました。
reatmoくんは3年ぶりくらいの再会。
また逢えて嬉しいな。
何度も、この映画のことについて書いていて、しつこくて申し訳ないですが、今の日本だからこそ、本当にできるだけ多くの方に、観て知っていただきたいのです。
このドキュメンタリー映画の主人公のバセットは、元シリア ユース代表の人気サッカー選手。
シリアの民主化運動の波と共に、彼は非暴力を訴えながら彼の故郷であるホムスでのデモに参加します。
ところが、2012年2月、アサド政権は170人の市民を容赦なく惨殺。これを機に、彼らは武器を持って、亡くなった家族や友人のために戦い始めてしまうのです。
2014年12月にアルジャジーラ放送の動画で、この映画の主人公であるバセットの生存が確認されていて、その動画というのが IS ( ISIL / ISIS / イスラム国 )に忠誠を誓ったというものらしいです。
ISといえば、私たちにとっては大変ショッキングなニュース、後藤健二さんと湯川遥菜さん殺害事件を起こした、あのイスラム国です。
バセットが生きていてくれて嬉しい反面、あのイスラム国に忠誠を誓ったと聞いて、すごくショックだけど、シリアのことを知れば知るほど、そうなってしまったのも仕方がないというか、想像がつくというか...。
イスラム国の存在に疑問を感じていましたが、そういう国や組織ができた理由が今となってはわかります。
(決して彼らに、同調や同意をしているのではなくて。)
先日のフォトジャーナリストの安田菜津紀さんによる6月のヨルダンの難民キャンプ取材後の報告会に関する記事にも書きましたが、
シリアの難民の方にとって何が1番辛いか質問すると、みんな口を揃えて、
「アサドの弾圧は本当に辛いけど、それ以上に世界が私達の状況を無視し続けていること」
と言うそうです。
バセット達も映画の中で同じことを訴えつづけていました。
国連やnatoが助けに来てくれる、国際社会が知ってくれれば皆が黙って許すわけがないと、信じていた。
それなのに、国連はちょっと見に来ただけで、何をしてくれるわけでもなく、、、。
国際社会も見向きもしない。
一人一人の命は平等であるはずなのに、自分達の命が軽く扱われ、例えば、イラク戦争から始まり、アメリカなどによる中東諸国の一般市民の殺戮は許されて、それを背景とする中東諸国の側によるアメリカ人の殺戮は「テロ」や「絶対悪」として扱われることへの疑問だったり。
いつしかそれが憤りとなって、恨みだったり敵意に変わって、そうやって、自分達以外、全て敵に思えて孤立していく。
そして、過激派に転身していく・・・。
彼らがそうなった原因のひとつには、私達の無関心さもあることを思うと本当にいたたまれない気持ちで一杯になりました。
後藤健二さんが遺した言葉
「何が起こってもシリアの人を恨まないでください」
の意味がよくわかります。
後藤さんは、シリアがこうなっていった、イスラム国ができていった過程を見てきたからこそ、言える言葉なんだと思います。
ちゃんとこの現状に目を向けるということが、彼にとっての慰霊になるのではないかと思わずにはいられません。
8/1〜東京は渋谷uplink での一般公開スタートです。
ちなみに、安倍内閣が利用する「積極的平和」の安倍内閣側の定義と、本来の「積極的平和」の意味が、実は全く異なるというのは皆さん、ご存知でしょうか?
この元々の「積極的平和」の生みの親でもあり提唱者である、ガルトゥング博士が、なんと今の日本の状態を危惧して、この8月に来日してくださるそうです!
また、なんと、ジャーナリストの田原総一朗氏との対談イベントも開催予定だそうです!!
この件に関する詳細はこちら。
また、この来日に向けて、クラウドファウンディングを行っているようです。
田原総一朗氏との対談イベント招待の枠の他、ガルトゥング博士との対話やランチが可能な応援チケットもあるようなので、ご興味のある方は、是非CHECKです!